感染後咳嗽
感染症の後に出る咳を感染後咳嗽(かんせんごがいそう)と呼びます。風邪などの感染症による咳は、時間とともに自然におさまるのが普通ですが、ある種のウィルスや肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳菌などに感染すると、咳が長引くことがあります。
▍症状
感染後咳嗽の症状として以下のようなものがあります。
・家族内や学校・職場などの小集団で流行がみられる
・発熱、喉の痛みなどの感染症状は治ったのに、咳がしつこく続く
・はじめは痰がからむような咳だったが、長引くにつれて乾いた咳になってきた
・がんこな強い咳が出て、よく眠れない
▍特徴
感染後咳嗽の原因となる代表的な感染症には以下のようなものがあります。
・ウィルス
風邪の原因の80~90%がウィルスです。風邪ウィルスは200種類以上いると言われており、代表的なものにライノウィルス、コロナウィルス、RSウィルスなどがあります。
・肺炎マイコプラズマ
マイコプラズマという微生物によって引きおこされる乳児期~青年期の若年者の間で流行する肺炎です。
・肺炎クラミジア
クラミジアという細菌によって引きおこされ、小児と高齢者に特に多い傾向があります。家族内感染をおこします。
・百日咳
百日咳菌という細菌によって引きおこされ、その名の通り菌の作る毒素により、苦しい咳が長く続きます。従来は1歳未満乳児に多くみられましたが、最近では年長児や大人にも増えています。
以上の感染症を特定する検査は存在しますが、時間がかかったり、感度が低かったりして、確定診断を行うのが難しい病気の一つです。
▍治療
肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジア、百日咳菌の感染が疑われる場合は、早期にマクロライドやレスピラトリーキノロンと呼ばれる種類の抗菌薬を使用します。普通の風邪の咳は特に治療をしなくても時間がたつとおさまりますが、咳が激しい時は咳止めを使用します。