花粉症
花粉症はアレルギー性鼻炎のうち、季節性があり原因が花粉であるものを言います。鼻の症状の他に、目もかゆくなるアレルギー性結膜炎を高頻度で合併します。日本では4人に1人がスギ花粉症と言われ、しばしば社会問題にもなっています。
▍症状
アレルギー性鼻炎の症状として以下のようなものがあります。
・突然出て繰り返すくしゃみ、水みたいな鼻水、鼻づまり
アレルギー体質であったり、家族も花粉症であったりする場合が多いです。
風邪や副鼻腔炎など感染性のものは、鼻水がネバネバで膿のようになります。副鼻腔炎では時に悪臭がします。発熱、頭痛、倦怠感を伴うことが多いです。
▍診断
問診・視診・鼻汁好酸球検査
アレルギー検査(皮膚テスト、血清特異的IgE抗体検査、誘発テストなど)
▍治療
薬物療法
花粉症の治療薬には以下のようなものがあります。
鼻水が主体か鼻づまりが主体か、重症度はどうかで組み合わせを考えます。
主に軽症で使うことが多い遊離抑制薬やTh2サイトカイン阻害薬は割愛しています。
薬の種類 | 商品名 | |
第2世代抗ヒスタミン薬 | アレジオン、ザイザル、タリオン、アレグラ、アレロック、クラリチン、デザレックス、ルパフィン等 | |
鼻づまりに効く | 抗ロイコトリエン薬 | オノン、シングレア、キプレス |
抗プロスタグランジンD2 トロンボキサンA2薬 |
バイナス | |
第2世代抗ヒスタミン薬 血管収縮薬配合剤 |
ディレグラ | |
鼻噴霧用ステロイド薬 | リノコート、ナゾネックス、アラミスト等 |
毎年、強い症状のある人は、初期療法と言って花粉飛散予測日から自分にあった薬を開始しておくと良いでしょう。花粉飛散量が増加して症状が悪化したら、治療を強化します。
アレルゲン免疫療法
アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から、徐々に量を増やして繰り返し投与することにより、体をアレルゲンに慣らし、症状を和らげる治療法です。根本的な体質改善も期待されます。現在、行われているアレルゲン免疫療法は舌下投与方法でスギ、ダニとなっています。
抗原の除去と回避
喘息の環境整備方法のコラムを参照して下さい。