睡眠時無呼吸症候群(SAS)の新しい治療選択肢

▍肥満症治療薬「ゼップバウンド」を用いた治療を開始しました

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に空気の通り道が狭くなることで呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。その原因の一つとして、「肥満」が深く関わっていることが知られています。

これまでSASの治療はCPAP療法が中心でしたが、体重増加が背景にある方では、減量により睡眠時無呼吸そのものの改善が期待できる場合があります。

当院では、このたび肥満症治療薬「ゼップバウンド」を用いた肥満症治療を開始しました。

ゼップバウンドはGIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれる薬で、週1回の投与で効果が持続するように製剤的な工夫をした注射薬です。食欲を調節し、脂質などの代謝を亢進させることによって、医学的な減量をサポートする治療薬です。肥満症の適応を満たす患者さんでは、体重減少により睡眠時無呼吸症候群の改善や、CPAP治療の負担軽減が期待されています。

このような方はご相談ください。

  • 睡眠時無呼吸症候群と診断されている
  • CPAPを使用しているが、根本的な改善も目指したい
  • 肥満を改善したいが、自力での減量が難しい
  • 健康的に体重を減らし、生活習慣病も予防したい

当院では、睡眠時無呼吸症候群の診療経験を活かし、一人ひとりの状態を評価したうえで、CPAP療法・生活習慣改善・肥満症治療を組み合わせた総合的な治療をご提案します。

具体的な適応、投与方法、効果、副作用は以下の通りです。

▍適応

  • 中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群AHI 15回/時間以上)
    ただし、BMI が 27kg/m2 以上に該当する場合に限る
  • 肥満症
    ただし、高血圧、脂質異常症又は耐糖能障害(2 型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかを有し、
    食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
    BMI が 27kg/m2 以上であり、2 つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
    BMI が 35kg/m2 以上

▍投与できない方

  • 妊娠中・授乳中の方、妊娠を希望している方
  • 甲状腺髄様癌または家族歴のある方
  • 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の方
  • ゼップバウンドの成分でアレルギーを起こしたことがある方

※このほか、重い胃腸疾患や膵炎の既往などがある場合は、使用できない、または慎重な判断が必要となることがあります。詳しくは診察時に医師が判断いたします。

▍投与方法
皮下注射で、週 1 回 2.5mg から開始し、4 週間の間隔で 2.5mg ずつ増量します。最高用量は週 1 回 15mgまでですが、忍容性が認められない場合には、投与量を調整することができます。

▍効果
ゼップバウンドの睡眠時無呼吸症候群に対する代表的な臨床試験にはSURMOUNT-OSA試験があります。この試験では52週間の治療期間で平均18.1~20.1%の体重減少、約25~29回/時間のAHIの減少、55~63%の改善率が示されました。
イメージしやすくすると、例えば、体重100㎏の方なら約18~20㎏減量、AHI50回/時間の方なら、
 約20~25回/時間まで改善する患者さんが多いという結果でした。(もちろん個人差があります)。

▍副作用
一番多い副作用は、吐き気や胃もたれ、便秘、下痢などの胃腸症状です。特に始めた頃や増量した時に出やすいですが、多くの方は徐々に慣れてきます。まれですが、膵炎や胆石・胆のう炎、低血糖、重篤なアレルギー反応をおこす可能性もあります。副作用が強い場合は無理に増量せずに、患者さんに合わせて投与量を調整いたします。

▍価格(税込)

2.5㎎ 6000円×2本=12000円
5.0㎎ 10000円×2本=20000円
7.5㎎ 12500円×2本=25000円
10.0㎎ 14000円×2本=28000円
12.5㎎ 15000円×2本=30000円
15.0㎎ 16000円×2本=32000円

 2本単位での購入となります。

※ゼップバウンドはすべての方が治療対象となるわけではありません。適応や副作用について十分ご説明し、医師が診察のうえ治療の可否を判断いたします。お気軽にご相談ください。

当院がご提案したい医療の一つ、「通常の薬に頼る治療のみでなく、薬が不要となる体作りの協働」のため、まずはゼップバウンドの力をかりて減量してみませんか?CPAPだけで終わらせない、根本的改善を目指していきましょう。