肺炎
肺炎は日本人の死因の第3位であり、よく耳にする病気ですが、一言に肺炎と言っても、色々な状態が含まれています。通院で治療できるものから、疾患末期・老衰などの終末期状態にかかるものまであります。ここではそれらを整理して紹介します。
▍症状
肺炎の症状として以下のようなものがあります。
・咳、痰、熱が出て、けだるい。
・息苦しくなったり、胸が痛くなったりする。
・食欲が低下して、頭がボーッとする。
高齢者では、熱が出なかったり、これらの症状がはっきりしなかったりする場合があります。
▍特徴
肺炎は発症の場所、患者さんの状態から、以下の3つに大別されます。
市中肺炎 | ・普段は元気な人がかかる肺炎 ・通院での治療が可能な場合もある ・肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマが原因となる |
|
医療・介護関連肺炎 | ・介護を受けている人がかかる肺炎 ・高齢者の誤嚥性肺炎が多い ・繰り返すうちに衰弱していく |
薬が効きにくい耐性菌の分離頻度、死亡率が高くなる |
院内肺炎 | ・入院48時間以上経過した人が新たにかかる肺炎 ・特に人工呼吸器使用中にかかるものは重篤 |
▍診断
症状から肺炎を疑い、胸部X線写真(レントゲン)で肺炎像を確認して診断します。場合によっては胸部CT検査を追加します。採血で炎症所見をみることもあります。
次に敗血症の有無、重症度を、呼吸数、意識障害、血圧、加えて年齢、脱水、酸素飽和度をチェックして評価します。通院治療が可能か、入院をした方が良いのかを決めます。
そして可能な限り、肺炎の原因となる微生物の検索をします。
▍治療
原因菌にあわせた抗菌薬の投与が理想ですが、不明なことも多く、結果が判明するまでに時間がかかることもあるため、予測される菌に対しての抗菌薬投与(内服や注射)を行います。
▍予防
高齢者の肺炎予防には肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの接種が有効です。