便秘
便秘(べんぴ)とは、本来なら体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態と言われています。毎日便が出なくても、便が硬くなく、つらい症状がなければ問題ないということです。便秘の悩みは人それぞれです。便秘のことが気にならない生活を目指しましょう。
▍症状
便秘の症状は大きく以下の2つに分けられます。
排便回数の減少
・便が週に3回以上出ない
・便の回数が減って排泄物がたまり、お腹が張ったり、痛くなったりする
排便困難
・排便時に過度にいきむ
・便が硬くてなかなか出ない
・排便後も便が残っている感じ(残便感)がする
▍特徴
食べ物は摂取すると、消化管を移動しながら消化と吸収が行われ、残った老廃物が便となって、1~3日後に排泄されます。ところが、何らかの原因で小腸や大腸の働きが低下すると、食残渣の移動に時間がかかり、通常よりも余計に水分が体内に吸収され、便が硬くなります。また、直腸の筋肉がうまく機能せず便が排出されない場合もあります。これが便秘の原因でストレスが関与することもあります。理想的な便はなめらかなバナナ状です。
▍治療
主な便秘薬は以下の通りです。この他にも坐剤、浣腸、膨張性下剤などがあります。
分類 | 商品名 |
浸透圧性下剤 | 酸化マグネシウム、モニラック、モビコール |
刺激性下剤 | アローゼン、プルゼニド、ラキソベロン |
上皮機能変容薬 | アミティーザ、リンゼス |
胆汁酸トランスポーター阻害薬 | グーフィス |
食物繊維が足りない人(18g/日未満)は摂取すると良いですが、摂り過ぎて便秘が悪化する人もいます。適度な水分摂取、規則正しい生活、適度な運動を行い、便意を我慢しない、ストレスとうまく付き合いリラックスすることも大切です。その上で薬が必要となった場合は、浸透圧性下剤や上皮機能変容薬、胆汁酸トランスポーター阻害薬などから自分にあった便秘薬を医師と相談して選びましょう。刺激性下剤は長期に連用すると、効かなくなり腸を痛めますので、週に1-2回までの使用が理想的です。