花粉症の治療を見直す

2023年春のスギ花粉はすでに飛散しています。日本気象協会の予測では、名古屋のスギ花粉飛散のピークは3月上旬から中旬にかけて、例年より多い量と言われています。まさに今です。スギの後にはヒノキが来ます。4月末までは対策が必要でしょう。日本人の4人に1人が花粉症と言われ、自然に治る確率は10%程度です。花粉症の高齢化が進んでいます。薬物療法とそれ以外の方法も組み合わせて、快適に過ごしたいものです。

▍薬物療法
花粉症の薬物療法は以前のコラムがあるので、こちらもご参照下さい。

軽症ではセルフメディケーションといって、薬局で購入できるOTC医薬品を使用することも可能です。
軽症以外の人は受診して、自分にあった治療方法を提案してもらうと良いでしょう。

薬物療法のポイントを以下にあげます。手持ちの薬があれば組み合わせを考える時の参考になります。
・内服薬は、少しでもパフォーマンスが落ちないように、眠気が少ないタイプを選びます。
・鼻水が主体の人は第2世代抗ヒスタミン薬を、鼻づまりが主体の人は抗ロイコトリエン薬を使用します。
・点鼻薬が使える人には、内服薬を増やす前に鼻噴霧用ステロイド薬を追加します。
・それでも症状を抑えきれない人は、抗ヒスタミン薬の中で倍量投与可能なものを倍量にします。
・この他には、血管収縮薬配合剤や漢方薬を使用することもあります。
・重症例にはステロイド薬の内服や抗IgE抗体薬がありますが、ここまで使用することは少ないです。

毎年、強い症状のある人は、初期療法と言って花粉飛散予測日から自分にあった薬を開始しておくと良いでしょう。

▍非薬物療法
花粉の飛散量は前日あるいは当日の気象条件が大きく影響します。晴れて気温が高い空気の乾燥した日は飛散量が多くなり、降雨では激減します。風の強さも影響します。花粉情報を参考にしながら、非薬物療法を調節すると良いでしょう。

非薬物療法は、抗原を回避することが中心になります。
普通のマスクの中にガーゼを入れる「インナーマスク」「めがね」「鼻うがい」などがあります。

環境省が作成したマニュアルも参考にどうぞ。
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/3_chpt3-1.pdf

薬物療法とあわせて行って下さい。
いろいろな方法を組み合わせて、花粉シーズンを乗り切りましょう。