保湿の重要性

乾いた肌はカサカサして見た目が悪いだけでなく、皮膚バリア機能も低下させます。皮膚バリア機能が低下すると、外からのバイ菌やアレルギー物質の侵入が容易になり、感染症やアレルギーの原因になります。また乾いた肌はかゆみを感じやすくするので、ひっかきやすくなり皮膚を痛める原因にもなります。正しく保湿して皮膚の健康を保ちましょう。

▍乾いた肌の原因
乾いた肌=ドライスキンの原因は以下の2つに分けられます。

・角層への水分供給不足
  水分の供給は発汗、湿気、入浴による
  外気の乾燥、エアコンや暖房による室内の乾燥も影響する

・水分を保持する保湿力の低下
  皮脂分泌量の減少が関係する、男性ホルモンの減少は皮脂分泌量の減少につながる
  長時間の高温浴、過度の洗浄剤使用、イオウ入浴剤による脱脂にも注意が必要

▍保湿薬の種類
・ワセリン
  皮脂の代わりに角層の上に皮膜を作る
  ベタつく、テカるという欠点はあるが、安全・安価で、入浴後の寝る前に適している
・尿素
  外気の湿度が低下すると保湿力が低下する、かきくずした痕があるとしみる
・ヘパリン類似物質
  様々な剤型があって使用感が良い
  ワセリンに比べると外用中止後の角層水分量保持能力が高い
・市販の医薬部外品や化粧品では、セラミド、ヒアルロン酸などがある

▍保湿薬の塗り方

保湿薬の量
軟膏やクリームは人差し指の先端から1つ目の関節まで伸ばした量(これを1FTU=finger-tip unitと言います)、ローションの場合は1円玉の量が約0.5gです。この量で手のひらの面積約2枚分に塗れます。目安としてはティッシュが皮膚に付いてテカる程度です。

塗る頻度
頻度は1日1回外用よりは2回の方が角層水分量は増加するので、少なくとも2回以上が望ましい。

塗る時間
水分を含んだ入浴後の早い時期、10分以内に外用した方が保湿効果は高い。