機能性ディスペプシア(FD)
胃カメラなどの検査で異常がないのに、慢性的に胃が痛かったり、胃がもたれたりする病気のことを
機能性ディスペプシアと言います。
ある説によれば、胃の不快感を訴えて病院を受診する方の半数近くがこの病気とも言われています。
▍症状
機能性ディスペプシアの症状として以下のようなものがあります。
・胃が痛い、胃がもたれる
・胃がやけるような感じがする
・お腹がはって苦しい
・すぐにお腹がいっぱいになる
上記以外に
体重が減ってきた、嘔吐を繰り返す、出血がある、飲み込みにくいという症状がある場合や
高齢ということは、がんなどの他の病気の可能性が高まりますので、注意が必要です。
▍特徴
機能性ディスペプシアの原因は、胃の運動異常や知覚過敏を含む様々な因子があわさっていると
考えられています。よって、1種類の薬で十分な治療効果が得られる確率は20%と低く、
いくつかの薬を組み合わせる必要がでてきます。
▍治療
生活習慣の改善
・一度にたくさん食べ過ぎない、脂肪が多い食事を避ける
・野菜を積極的に摂取し、食事を規則的にとる、十分な睡眠も重要
薬物療法
主な薬は以下の通りで、胃酸分泌抑制薬や消化管運動機能改善薬が第1次選択薬です。
ピロリ菌感染があれば除菌が勧められます。
分類 |
商品名 |
胃酸分泌抑制薬 |
ガスター、プロテカジン、ネキシウム、パリエットなど |
消化管運動機能改善薬 |
アコファイド、ガスモチン、ガナトン、ナウゼリンなど |
抗不安薬・抗うつ薬 |
セディール、トリプタノール、ドグマチールなど |
漢方薬 |
六君子湯、半夏厚朴湯 |
治療効果は4週間をめどに判定します。胃カメラ他の検査で他の疾患を除外することが重要です。